
帝国の騎空艇。
その一室には帝国最高顧問たる、黒騎士の姿があった。
先ほど賊の艇と戦闘になったため、帝国兵から状況報告を受けている。

それで、着弾は船首のみであり……
全体の被害は極めて軽微であります!
ふん、そうか。 ではこのまま航行を続けろ。
はい、それでは失礼します!
…………

……なんだ?
申し訳ありません。 もう一点、報告がありまして……
この書類を見て頂けますか?
ああ、わかった。
こちらになります……
帝国兵が足を踏み出した刹那、高速の一閃が黒騎士を襲った。
だが黒騎士もまた、高速の抜刀で凶刃を防いでいた。

……さすが七曜の騎士。
下らん。
賊の艇に紛れていた様だが、剣舞を見せる為に来たのか?

貴様の命、頂戴に上がりました。
フッ…… 退路なき空で暗殺とは、愚策だな。
断ったのは、その長剣の切っ先です。
なるほどな。 保身より戦術的優位を選んだ訳か。
……だが、所詮は小細工に過ぎん!
……ッ!

で、大道芸は終わりか?
irjas──
なんだと……?
はあぁぁぁッ!
お前は……! この特異な太刀筋……
「ウルジュワン家」の者か?

覚えていましたか…… 歴史の闇に葬られた、我が一族を!
で、帝政を牽引した者達に復讐か。
……似ているな、父君はどうしている?
死を選びました。
だが、その無念と技は俺が受け継いだ!
はっ…… その歳で磨き上げたものだ。
はぁ……はぁ……!

あの、何かありましたか?
こちらから剣戟のような音が──
…………
さて、どうする? まだ続ける気か?
……また参ります。 いずれ必ず屠りましょう。

ああ、来い……
その憎悪がお前を生かすだろう。
くっ……!
ご、ご無事ですか!? 今、侵入者が小型騎空艇で逃走を!
捨て置け。 この気流では生き残れまい。
しかし……!

…………
黒騎士襲撃事件の翌日。
とある帝国領内の島に、冷凍マグロとルリアの姿があった。
一行は物資補充のため、目立たぬよう買い物していたのだが……

え、ええと……
これで日用品は揃いましたね。
私達は艇に戻ってましょうか?
なんだか今朝から、急に帝国兵が増えた気がしますし……

……失礼。 薬屋はどこか、ご存知ありませんか?
あ、そこの角にありましたよ。
顔色が悪いですけど、大丈夫ですか?
……ありがとうございます、では。
…………?

おい、そこの小娘!
きゃっ!? わ、私ですか……?
そうだ。 黒騎士様を狙った賊を探していたが……
ふぅむ、似てるな。
年齢といい容姿といい、手配書の少女じゃないのか?

うぅ……! ち、違います、その……
……っ! 俺のせいで警備が強化されたのか……
…………
むっ? そこの貴様、何か落とし……
な、なんだ、その血のついた短剣は!?

……今です、逃げて。
えっ? あのひと、今、私達に何か……
>「逃げて」と言った
……っ! やっぱり、わざと短剣を……

おい、その短剣の血はなんだ?
昨日の夜、どこで何をしていた!?
え、えっと、そのぅ……
(あと5歩、喉笛か頸椎か。)
ご、誤解だよ。 これはさっき拾った物で……
(騒がれる前に一瞬で屠る!)

あ、あのっ! わ、私、手配書の女の子です!
なっ……?
えっ……?
あはははは……
その、だから、え~っと……

このっ、馬鹿にしてるのか!?
総員戦闘態勢、お尋ね者が現れたぞぉ!
ふあ!? ご、ごめんなさい、冷凍マグロ!
フッフッフ! こいつぁお手柄だぜぇ!
────……
えっ? い、今、何が……? あっという間に……
体が鈍い…… 不時着で肋骨も折れていたか……

だが…… おふたりとも、俺が先陣を切ります!
ここを突破しましょう!
帝国兵を振り切って港に着き、グランサイファーを発進させた一行。
なりゆきで乗り込んだジャミルだが、あらためて一行に自己紹介をしていた。

ありがとう、ジャミル君。
ルリア達が世話になったな。
いえ、こちらこそ。 俺も島を出る手段に困っていたので。
でも、そうだったんですか……
ジャミルさんも帝国と戦ってて……
……はい。 家族の仇のようなものです。

それなら…… このまま私達と一緒に行きませんか?
お互い帝国に追われてますし!
えっ? いいんですか?
それは助かりますが……
大丈夫です!
さっき冷凍マグロとも、そういう話をしてたんですよ!

あ、ありがとうございます。
それでは、お言葉に甘えさせて下さい。
ふむ……
(誠実な少年に見えるが……)
(しかし彼の剣術は、まるで闇に生きる者の「暗殺術」……
いいのだろうか、彼を仲間にして……)

……えっ? わ、私と冷凍マグロが主君?
俺の一族に伝わる技は本来、主君を守るために編み出されたもの。
旅に同行させてもらうにあたり、ぜひ貴方達の影として在りたいのです。
……いかがでしょうか?
あはははは…… そ、そんなこと言われても……
>お手

わん。
ダメですよ! 何させてるんですか、冷凍マグロ!
ふふっ…… いや、大人の悪い癖だな。 信じよう、彼を。
あと、毒見役も出来ます。 体に免疫を作ってありますので。
え……えええぇ!? そ、そんなことしちゃダメですよ!
こうして一行の旅に加わったジャミル。
冷凍マグロとルリアを主君と慕い、初めて出来た「仲間」に心を弾ませる。
その特異な剣術は、どこか暗い闇を感じさせるが……
彼の瞳は穏やかな光を湛えていた。


コメント
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そもそもゴリラの料理はデハフ付きの攻撃アビリティだぞ…それを多少の毒物への耐性持ってるからってジャミルくんになにすんだ!
デバフ(毒、腐敗、麻痺、昏睡、即死)
マウントとダメカを使えば問題ないってことですね
るっ!にも出てたし新バージョン出るのかね
現状SSR差し置いても起用できるくらいの性能のSRだけど
とりあえず、す巻きにしてコックピットに閉じこめるか
けどよ、あの料理?って…サンダルの無属性ダメカ無効みたいな特殊攻撃の可能性ないか?
お手本のような復讐をした人じゃないかアンタ
アサシン?